インフルエンサーマーケティングに高い効果が期待される理由と効果測定の方法について

これからインフルエンサーマーケティングを始めようと考えている、もしくは始めたいがそもそもなぜインフルエンサーマーケティングにこだわる必要があるのかと疑問に感じている人は少なくありません。

事実、インフルエンサーと呼ばれる人がマーケティングにおいて重要視され始めたのはつい数年前のことであり、海外に比べて日本ではその事業規模も小さいのが現状です。

ただし、未だインフルエンサーを起用したことがないという方でも、この記事を参考にすればなぜそんな関心を集めているのかがはっきりするはずです!

今回の記事では、インフルエンサーマーケティングが注目を集めている理由をその効果を紐解くことによって明らかにし、さらにその効果測定の方法について詳しく解説していきます!

インフルエンサーマーケティングについて

インフルエンサーマーケティングとは?

インフルエンサーマーケティングとは、YouTube・Instagram・Twitter・TikTokなどのSNS上で影響力を持つインフルエンサー(直訳で「影響を与える人」)を活用し、商品のPR等を行ってもらうことで、消費者の購買行動に影響を与えるオンライン上のマーケティング手法の1つです。

商品のPR以外にも、企画ものでのコラボやアンバサダーへの就任など、インフルエンサーには様々な活用方法があり、幅広い施策を打ち出せるのもこのマーケティング手法の特徴です。

海外を中心として行われてきたインフルエンサーマーケティングですが、近年になって日本企業でも多く実践されるようになっており、日本におけるインフルエンサーマーケティングへの関心度は、今後より一層上昇するといわれています。

これからのインフルエンサーマーケティング

スマートフォンの利用率は年々増加しており、現在では日本人の9割程度が1人1台所有するようになっています。

スマートフォンの普及に伴い、人々のインターネットの利用時間も増え続けており、総務省が発表したデータによれば、10代~60代にかけてのネット利用は平日と休日共に増加傾向にあるといえます。

特に、若年層の利用時間の長さは顕著であり、その内訳として「ソーシャルメディアを利用すること」と「動画投稿・共有サービスを使用すること」に10代・20代の若者が最も多く時間を費やすことが分かっています。(参照:総務省|「平成30年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」の公表 (soumu.go.jp)

このように今日のSNSで活躍するインフルエンサーを活用したマーケティング戦略は、SNSの普及という追い風を受け、若者を中心としたその高い訴求効果に期待が寄せられているのです。

インフルエンサーマーケティングがもたらす効果とは?

インフルエンサーマーケティングを実施するからこそ得られる効果について、他のメディア媒体と比較しながら4つ解説していきます。

高い費用対効果

インフルエンサーマーケティングが優れている点は、その費用対効果です。

マスメディア広告には多くの場合、芸能人などの著名人が起用され、その分制作コストもかさみます。TVCMの起用となれば、人によってはたった一回の起用で何百万ものお金が動くため、その高コストはデメリットといえるでしょう。

また、ウェブ広告は比較的安く打ち出すことができますが、拡散力が低く、認知拡大には大きく貢献できないのが現状です。

一方のインフルエンサーを活用した広告・PRは、低コストで抑えられる上にSNSを活用した拡散を行うことができるため、多くの消費者にリーチすることができるのです。

このSNSの拡散力は凄まじく、特にTwitterのリツイート機能は情報の拡散に特化しており、話題性のある施策の実施やその施策にマッチしたインフルエンサーを活用することで、高い費用対効果が期待できます。

インフルエンサーのクリエイティビティによるPRの多様性

インフルエンサーマーケティングによるPR投稿は、起用するインフルエンサーの発想や創造性によって内容が異なるため、PRに多様性が生まれるのが特徴的です。

ウェブ広告やマスメディア広告においては、商品・サービスの紹介や実績などを端的に説明していることがほとんどですが、インフルエンサーを活用すればその説明を軸にドッキリ企画、ショートドラマ、ハッシュタグを活用したチャレンジ企画など、様々なPR方法に機転が利きます。

この動画は大人気YouTuber東海オンエアがゲーム「ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて」の発売を告知するために、ゲーム内容などには一切触れず、自分たちがゲームの登場キャラクターになりきって実写化するという、ユーモアにあふれたタイアップ動画となっています。

ターゲット層の絞りやすさ

他の広告媒体に比べてもターゲットを絞りやすく、特定の人たちへのアプローチが可能なのがインフルエンサーマーケティングです。

無論、インフルエンサーマーケティングでなくてもターゲット層への限定的なアプローチは可能です。
例えば、TVCMの場合、子供向けの番組であれば児童用玩具のCMを放映するといったこともできます。

但し、インフルエンサーを活用した広告はより限定的にターゲットへ訴求することが可能なのです。

本に関する情報を発信するインフルエンサーのオーディエンス(フォロワー・登録者)には本に興味のある人が集まり、色んな玩具を紹介するキッズインフルエンサーの下にはその玩具を欲しがる子供たちが集まります。

このように、インフルエンサーマーケティングはそのターゲット層の絞りやすさから、彼らへの直接的な訴求が可能となり、より訴求効果の高いPRの実現ができるのです。

ユーザーが好むPRの実現性

マイボイスコム株式会社が行った近年の調査では、インターネット上のウェブ広告に関してネガティブなイメージを持つ人々が増加傾向にあります

そもそもウェブ広告自体を読む人が全体の4割弱に留まっている状況の中で、「関係のない広告が表示されるとイライラする」「スクロールなどの操作を妨げられるので、わずらわしい」と回答した人が全体の6割を占めています。

こういった事実からも、ウェブ広告への関心度は低下しているといえ、広告主への信頼性にも影響を及ぼしていることが分かります。

一方、インフルエンサーマーケティングでは先述の通りターゲット層を絞りやすい上に、PR投稿を見るかどうかはユーザーに決定権があります

強制的に視界に入るウェブ上のピップアップ広告やマスメディアのTVCMなどとは異なり、視聴・閲覧するかを見る人が選択できるため、ユーザーに不快感を与えてしまうリスクが大幅に減少します。

ただし、インフルエンサーマーケティングにおいてもリスクは存在し、例えば活用したインフルエンサーの普段の投稿とPRした商品・サービスの内容が全く異なれば、インフルエンサーと企業双方の信頼に傷がつくため、施策に合った正しい起用を行うことを心がけましょう

インフルエンサーの探し方については別の記事でもまとめています。是非、ご参照ください!

より高い効果を得るためのKGI・KPI設定

インフルエンサーマーケティングを成功させるためのポイントはあらかじめゴールを設定することにあります。そもそもなぜインフルエンサーマーケティングを実施するのかと自問し、KGIを設定してみましょう。

KGIとは、Key Goal Indicatorの略で、日本語に訳すと「重要目標達成指標」です

KGIの設定はいわゆる最終目標を決めることであり、この最終目標を達成させるために何をするべきかを逆算する、というのがマーケティングの基礎になります。

以下は、一般的に企業がインフルエンサーマーケティングを実施する際の目標の例です。

認知拡大 → できるだけ多くの人に製品を知ってもらいたい
コンバージョン発生 → 注文発生や予約数を増やしたい
コンテンツ生成 → オリジナルのユーザー生成コンテンツ(UGC)を増やしたい
サイトへの流入増加 →自社サイトへの流入を増やしたい

インフルエンサーマーケティングを通じて成し遂げたい目標が決まったら、次はその目標ごとのKPIを設定しましょう。

KPIとは、Key Performance Indicatorの略で、日本語でいう「重要業績評価指標」です

達成させたい目標に対して、その達成度合いを評価する評価指標であり、達成までのプロセスにおいて達成度を常に把握し評価するための中間目標として非常に有効なのがKPIです。

KPIを適切に設定することで、目標が明確になり、その目標達成のために何をするべきかといったことも明らかにすることができます。KPIを設定しておくことは、最終的な目標達成のために重要な要素なのです。

次に、各ゴールに合わせたKPIの設定方法を説明していきます。

認知拡大のKPI設定

商品・サービスまたは企業自体の認知を拡大させるには、リーチの獲得が不可欠です

リーチはどれほどのユーザーが投稿に到達したのかを表すため、この数が多ければ多いほどより多くの人の目に投稿が留まったということがいえます。

そのため、認知拡大のKPI設定の一例としては、「このインフルエンサーを活用したYouTube上のPRで10万再生以上を獲得する」といったことが挙げられます。

他にもPR投稿についたいいね・コメントの数も認知拡大には重要なファクターであり、こういったエンゲージメントをどれほど獲得するか決定することもKPIを設定するということです。

コンバージョンのKPI設定

インフルエンサーマーケティングでCV(コンバージョン)数を増加させるというKGIを設定する場合も多くあります。

CVの内容には商品の購入、問い合わせ・資料請求の獲得、会員登録などがあります。

特に商品の購入数は、どれほどの売上をインフルエンサーマーケティングを通じて上げられるのかに直結する数なので、企業にとっても最も重視すべき点でしょう。

ただし、CVの定義は企業の業務形態によっても異なるため、何をコンバージョンとして設定するのかが重要であり、これがKPI設定の一例です。

このコンバージョンの測定方法は後述しますが、前提としてPR投稿内にプロモーションコードまたはアフィリエイトリンクを添付する必要があります。

コンテンツ生成のKPI設定

UGC(ユーザー生成コンテンツ)をたくさん生み出すためのインフルエンサーマーケティングも頻繁に行われています

UGCは一般ユーザーによって作られたコンテンツを指し、インフルエンサーマーケティングにおいてよく行われるキャンペーンの流れは、まずインフルエンサーが一般人に指定のハッシュタグをつけて指定した内容の投稿をすることを呼びかけ、それに応じて人から人へとハッシュタグを通じて一般人による個性的な投稿が多数アップロードされます。

このハッシュタグキャンペーンと呼ばれるマーケティング施策は、商品・サービスの知名度拡大だけでなく、UGCから企業側が新たなヒントや奇想天外な発想を得ることもしばしばあるため、数多くの企業によって実施されています。

このUGCを増やすためのKPI設定は限定されますが、一般の人に覚えてもらいやすい、または話題性のあるハッシュタグは何かを決定することも重要です

サイト流入のKPI設定

サイトへの流入数の増加を目指すなら、魅力的なコンテンツを作成しておきましょう

ありうるケースとしては、インフルエンサーに自社ホームページを紹介してもらったにも関わらず、サイトが整理されていなかったり、ユーザーが欲しい情報がなかったりして、コメント欄にHPの悪い評価を書きこまれてしまうかもしれません。

結果として流入数も減少してしまう上に、ブランドイメージの低下にも繋がりかねないため、万全の準備をしてサイト流入の増加を目指しましょう。

SNS別インフルエンサーマーケティングの効果の測定方法

前述したリーチやエンゲージメントなどといった、KPI設定によって実際にどれほどの効果があったのかを知るには、以下のツールを活用しましょう。

使用するSNSによっても測定方法が異なるため、プラットフォーム別で確認する必要があります。

Instagram

インスタグラムでは各投稿のいいね数やコメント数が分かるような使用になっていますが、プロアカウントに切り替えることで、Instagramインサイトを利用できるようになります。(画像の赤枠)

携帯のみ

これを活用すれば、自分の投稿が何回見られたのかを示すインプレッション数、どれほど保存されたりシェアされたのかを数値化するインタラクションの具合、貼付したホームページのアクセス数が分かるコンバージョン率、1つの投稿を見てフォローしてくれた人の数など、効果を測定するのに必要な様々な情報を得ることができます。

これによって、これまでのインフルエンサーを活用したPR投稿にどれほどの効果があったかを分析できるだけなく、数値化された投稿における反響の良し悪しを分析して、今後のPRにも活かせるようになります。

Twitter

Twitterではいいね数、リツイート数、コメント数の他にも、Twitterアナリティクスを利用することで、様々な数値を見ることができます。

「もっと見る」⇒「アナリティクス」を選択(PCのみ)

これも各投稿のインプレッション、エンゲージメント、エンゲージメント率、コンバージョン率など効果分析に不可欠なデータを数字で提示してくれます。

また、どの時間帯に多くの人が自分のツイートを閲覧しているかも分かるため、その結果を反映してより多くのエンゲージ獲得に繋げることも可能です。

YouTube

YouTubeにはYouTubeアナリティクスと呼ばれる機能があり、ここから効果測定が可能です。

「YouTube Studio」⇒左の欄にある「アナリティクス」を選択

ここでもインプレッション数やエンゲージメント、視聴者当たりの視聴回数などが分かる上に、インプレッションと総再生時間の関係も明確に表示されるのが特徴です。

また、YouTubeの動画内に埋め込んだURLのクリック数も知ることが可能なため、どれほどの宣伝効果があったのかを容易に把握することができます。

注意!インフルエンサーの規模によっても効果は異なる

無論、先述したインフルエンサーマーケティングによる効果は、起用するインフルエンサーの規模(フォロワー数など)によっても異なってくることを念頭に入れておきましょう。

一般的にフォロワーの少ない順から、ナノ、マイクロ、マクロ、メガと呼ばれる規模に分けることができるインフルエンサーは、その影響力もフォロワーの数によって違ってきます。

ただし、より影響力の高いインフルエンサーを活用すれば、より良いPRができるというわけではありません。

規模が大きくなるにつれて費用も高くなりますし、影響力がある分きっちりとしたPRでなければ企業ブランドにマイナスのイメージがついてしまうリスクも高まります。

そのため、高い費用対効果を得るためには、適切な規模と人数のインフルエンサーの起用が必要とされます。

高い訴求効果を得たPR事例

コカ・コーラ社の「#リボンでありがとうチャレンジ」

このPRは日本コカ・コーラ株式会社が2018年12月にTikTok上で開催したハッシュタグチャレンジです。

本PRは「ありがとうの気持ちを表現する」といった趣旨の下、期間限定で発売されるリボン付きボトルを片手に音楽に合わせて様々なポーズを決めるといった内容になっており、「#リボンでありがとうチャレンジ」がついた投稿の中から8名の投稿が渋谷の屋外ビジョンでクリスマスイブの日に放映されました。

このチャレンジには3人のインフルエンサーが起用されており、おおしま兄妹さんひなたさんこたつさんが今回のタイアップの広告塔としていち早くTikTok上に動画投稿を行いました。

このハッシュタグがつけられた投稿は、総計4470万回以上再生されており、キャンペーンとしては大成功を収めたといえます。

この成功の背景には、コカ・コーラの元からの知名度もありますが、参加者の中からQUOカード300名分のプレゼントを行うことで付加価値をつけたり、拡散力の高いTwitterを活用したキャンペーンの告知を通じて周知したことが大きな要因であると考えられます。

セブンイレブンの「ドリームセブンスイーツアンバサダー」

「ドリームセブンスイーツアンバサダー」は2018年8月~2019年6月にセブンイレブン・ジャパンがInstagram上で実施したキャンペーンです。

これはセブンイレブンのスイーツをInstagramに投稿した人の中から1名が選ばれ、「ドリームセブンスイーツアンバサダー」として活動してもらい、その対価として約1年間毎月60万円が支払われるという、まさに夢のような企画です。

実際に「#ドリームセブンスイーツアンバサダー」とつけられた投稿は8300件を超え、アンバサダーを目指した数多くのインスタグラマーの中で大きな話題を生んだキャンペーンとなりました。

また、同時進行で「セブンスイーツアンバサダー」という企画も行っており、無料で誰でもなれる上に登録者全員にアンバサダーの認定証がもらえる、お得なクーポンや新商品の情報が届く、抽選でイベントや試食会へ招待されるといった特典もついています。

このインフルエンサーマーケティングの面白い点は、既存のインフルエンサーを活用してPRを行うのではなく、一般人の中からインフルエンサーを生み出しているところにあり、実際にアンバサダーに就任したsaaさんは現在10万8千人を超すグルメインフルエンサーになっています。

他にもインフルエンサーの分野ごとにPR事例をご紹介しています。
↑是非、ご参照ください↑

インフルエンサーマーケティングの効果と測定方法についてのまとめ

本記事では、インフルエンサーマーケティングが今アツい!という現状を踏まえた上で、その効果と測定方法について主に解説していきました。

また、その効果を最大限にするためのKGI・KPI設定や実際に訴求効果の高かったPR事例についてもご紹介し、マーケターが目指すべき目標を具体的に提示しました。

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